亜熱帯台北の夏服は、女性も男性も超カジュアル

台湾情報

台湾で5月から続いていた防疫警戒レベル3級が、今週の727日からようやく2級に緩和され、「テレワーク」を続けていた人々が徐々に会社に出勤し始めました。また「ステイホーム」で我慢していた女性たちも、この引き下げを待っていたかのように、流行の服を着て街に出かけています。台北でこの夏のトレンドは、ゆったりしたワイドパンツに背中が大きく開いたタンクトップ、でも、足元はもちろんいつもの夏の通り素足にサンダルです。台湾人は、仕事やプライベートでどのような服を着ているのでしょうか。日本では考えられない着こなしや、ファストファッションの人気ブランドについてレポートいたします。

台北のオフィスでは、何を着ているの?

台北では、梅雨が明ける6月からから9月まで、最高気温が35℃を超えます。日本でも8月は35℃以上になりますが、南国なのでその期間が長いのが特徴です。しかしオフィス内は、エアコンがとても強く効いています。部屋の中は日本のオフィスよりも寒いです。そんな中、台湾人男性の定番は、クールビズではなく、日本で言うところのオフィスカジュアルです。スーツやネクタイ姿の男性は全く見かけません。寒すぎるとシャツの上にパーカーかダウンジャケットを羽織りますが、彼らは元より建物内外の寒暖の差に慣れている気がします。ちなみに、街中で夏でも黄色のネクタイを締めている男性を見かけますが、あれは不動産会社のユニフォームとのことです。


女性も、仕事ではオフィスカジュアルを着こなしている人が多いです。トップスは「カットソー」か「シャツ」で、ボトムスは「パンツスタイル」が主流です。ごくまれに、紺のスーツにストッキングを穿いてヒールのパンプスで決めている女性もいますが、それは勤め先の制服だったりします。スーツを着ている女性は、やはり生命保険や不動産会社などのセールス職の方々です。

台北市民の普段着は?

台北市は大都会なので街中ではオシャレな人が多いですが、灼熱の夏はさすがに普段着で街を歩くのが許されているような感じです。男性は、ポロシャツ(Tシャツ)にハーフパンツ、足元はサンダルです。女性も、男性と同じように、Tシャツにハーフパンツかショートパンツ、ゆったりなワンピースといったところでしょうか。でも、オシャレ上級者の女性は、日本の女性がオフィスに着ていくような服で歩いています。

休日のアウトレットモールは、Tシャツ&ハーフパンツ姿で溢れています。

台北女性のビックリ着こなし

私が台北に住み始めて最初に驚いたことは、多くの女性たちがフィットネスジムで着るようなウェア姿で街を歩いていることでした。彼女らの上半身は肩やお腹の見えるトップスで、ボトムスは、体にフィットしたスポーツレギンスです。若い女性だけでなく、子供の手をひいたお母さんでもこのファッションです。私は、恥ずかしくてとても直視できませんでした。最初、スポーツジムに行く途中だとも思ったのですが、地下鉄(MRT)でもたびたび見かけて、普通のファッションとして楽しんでいるということを最近理解しました。「風紀上よろしくない」とか「危険な目に遭いそう」と思うのは私の考えが古いからなのでしょう。

また、気温や湿度が高いからだと思いますが、ストッキングを穿いている人が極端に少ないです。これが、決定的に日本の女性と違う点です。それで、女性でも普段着では素足にサンダル。その姿でバイクに乗っていたりして驚きます。私は、日焼けや怪我の心配もしますが、台湾人女性はおおらかなのか気にしないのでしょう。

日本と台湾の違いは服に使う金額

台湾でもデパートやモール、アウトレットに行けば、良質でとてもオシャレな服が手に入ります。日本で人気のブランド店も多く台湾に進出しています。ただその価格は、関税のため、日本で買うよりかなり高額です。その反面、夜市や露店では信じられないくらい安い服が売られています。しかし、見た目はとてもオシャレでステキなのですが、残念ながら、2~3回でくたびれてそれ以上着ることを躊躇するような品質の服です。購買層は主に年配の方が多いそうです。台湾は1年を通して高温高湿なので、自宅で洗濯できる服が好まれます。オシャレなハイブランドの服は手入れが複雑なので台湾の日常には向いていないのです

ファストファッションブランド

台湾でもファストファッションのブランドが大人気です。しかし、日本とは少し認識が異なります。台湾でも、ヨーロッパ系の「ZARA」や「H&M」を若い方が好んで買います。これらのブランドは、デザインが繊細でクールなイメージがあり、若者にある程度支持されています。ただ、生地が全体的に厚く、最先端のデザインは短期間しか着ることができません。一方、日本の「ユニクロ」「無印良品」「しまむら」は、シンプルなデザインで、ガンガン洗濯しても数年は型崩れしないということで、年齢を問わず受け入れられています。私も毎日大汗をかいてしまうので、台湾ではこの3つのお店でしか服を買えなくなりました。

伝統的な衣装

台湾の伝統的な衣装は無いのかと思われる方もいると思います。しかし台北では、日本の甚平や浴衣のような夏独特の衣服はありません。夏用のチャイナドレスを着た女性は確かに目を引きますが、あの服はパーティードレスやコスプレの衣装のような扱いです。中年男性の「北京ビキニ」という着こなしは、残念ながら夏の台北でも下町で良く見かけます。見なかったことにしています。

*北京ビキニ:中年以降の男性が、暑さのあまり、シャツの裾を腹の上までまくり上げて着ている様のこと。中華圏でよく見かける夏の風物詩。

 

台湾少数民族の方々の衣装を見たことがありますか?男性は半裸で布を腰に巻き付けたような衣装ですが、女性はワンピースの重ね着でとてもオシャレです。彼女らは重ね着でも汗をかいているように見えません。エアコンが無い時代にデザインされた、台湾の気候に合った機能的な服なのでしょう。地球温暖化が進むと、このような服が日常着になっていくのかもしれませんね。東京でもいつか流行ると思っています。

まとめ

台湾の夏服事情をレポートいたしました。日本も、台湾も、温暖化で夏の気温はたいへん厳しくなっています。台北のオフィスは室内が寒いほどに冷えているといっても、通勤時にはやはり汗だくです。台湾のクリーニング代は、日本より比較的に高く、自宅で洗濯できるオフィスカジュアルに人気があります。一般の台湾人は、夏には、流行を追ったファッションよりも気候に合った服を着こなしています。私も、真夏の衣服は、涼しさ、快適さを重視した台湾流を支持します。それをどうやってオシャレにするのか、そこにビジネスチャンスがあるのかもしれません。

 

参考サイト 台湾の気温
https://www.travel-zentech.jp/world/infomation/kion/taiwan.htm

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